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誉田真大学一年。泳ぐのが好き(阿江)
ここについて

No.91

半藤斐文
CoCTRPG『七夜の恋人たち』2ネタバレ 紙魚のうたもしかしたらネタバレ ぜん茶さんの卓ログと後日談の続きイメージ二次創作



『何も問題や異変起こってないですよね?』
 妙に夢見が悪かった気がした。肩や首がきしんでいて、確認すれば枕がずれていた。
 背中が固まると呼吸がしにくい。半藤は長く呻って、なんとか伸びをして、スマホを開いた。そのメッセージは夷川からだった。
 問題や異変、という言葉にピンとくるものはなかった。また何かに巻き込まれているのだろうか、と嫌な予感がしてアプリを開いたところで、おそらく彼と同じであろう今日見た夢の内容を思い出した。そういえば、結構危機だった。
 なんだか夷川らしくない夷川だったな、と感じていたから、夢だとわかって納得した。少なくとも半藤の中では、彼が自身の命より半藤の命を優先することはない。夷川は、半藤と夷川が違う人生を歩んでいるのだということを問うまでもなく了解している。そういう点で、楽で、安心できる相手だ、と思っている。
『先ほどは大変失礼しました』
『無事だといいんですが』
 無事だ。無事で、特に、夷川が心配するようなことは何もない。そもそも何に、謝っているのだろうか。
「チェンジで」
 ああそうだ。そんなこと言っていた。でも、そう。そんなこと。さんざん言われてきた。
 意外とつまらない。
 もっと何か、考えてるやつだと思ってたけど。
 もう十分わかっているから、別に、
『全く問題ありません』
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